exhibition35
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「Crispy River」に寄せて
満々と蛇行する河のたまり砂上にある故郷の大地。「パサパサ」の乾いたクリスピーな地面は、「パサパサ」の空気を作り出し、希薄化された「パサパサ」な私を産み出す。
自身がよく使う「ナマ」という言葉。「ナマ=生」が「ヌメリ・湿潤・水」であるとするならば、対峙語は「渇き・乾燥・死」になるのだろうか。
表面は乾いているが内部は潤っている。大地から生み出される、植物や生物は循環してこの乾いた大地に還元され、新たな何かを生み出し、描くことで自身が潤い再生されいくのだろう。
今回は、地面と対峙の川にスポットを当て、潤いの中にある「パサパサ」=クリスピー性を軸にした「Crispy River」の作品で構成されている。そして、作品の支持体の形状を微妙な不定形仕様にしている。
通常の垂直水平の矩形は、作品の水平感が必ず大地に打ち寄せて来る安定した海のイメージを連想させる。日本の河は、ライン川やインダス川のように平地をゆったり静かに流れる河と違い、山岳地帯が多いわが国では、高低差のため流れも比較的急であり、大地をさまようように蛇行しながら流れる河は、海とは違う不安定さを持っている。
Crispy Riverでは、この不安定な「川性」を醸(かも)すために、あえて微妙な不定形を選んだ。このことは、イギリスの画家:ベン・ニコルソンの不定形による銅版画作品からも、援引されている(謝意を込めて)。
2022年5月
倉地比沙支 Hisashi Kurachi
略歴
1961 愛知県に生まれる
1986 愛知県立芸術大学大学院油画専攻修了
現在 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻教授
主な展覧会歴
国内外での個展多数
1999 ノルウェー国際版画トリエンナ-レ賞 ・ 台湾国際版画ビエンナ-レ 銀賞
2005 カラーイメージングアワード グラフィック部門エプソン賞
クラコウ国際版画トリエンナーレ ワルシャワ芸術アカデミー理事長賞
2006 名古屋市芸術奨励賞(名古屋市文化事業団・名古屋市)
2009-12 第2回、第3回バンコク国際版画トリエンナーレ受賞(タイ)
2007 Show me THAI – みてみ☆タイ(東京都現代美術館・東京)
2010 PLATE/ Print Exhibition 「版・印-日本」(国立台湾美術館・台湾)
2014 アイチのチカラ!戦後愛知のアート、70年の歩み(愛知県美術館)
2015 レンコンアートプロジェクトREN-CON ART PROJECT -連茎する現代アート-
(名古屋市芸術創造センター)
2016 「Double Diablerie」シカゴ展
(ジョン・デヴィッド・ムーニィ財団ギャラリー・シカゴ)
2019 愛知県美術館リニューアル・オープン記念 アイチアートクロニクル1919-2019
Unprepared -無交差- (愛知アートラボ・名古屋)
2021 知覚の深度 Pereceiving in Depth(ライツギャラリー・名古屋)
不見富嶽八景 – Printmaking of Invisible Mount FUJI(ガラリラペ・名古屋)
2022「Forbidden colors 禁じられた色彩」(SA・KURAギャラリー・名古屋)
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