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対話型鑑賞ワークショップ :体験会・レクサス長良様

田中良和 | ノコリモノ ( https://lights-gallery.com/archive/2023/06/1620/ ) の展示空間にて、レクサス長良様向けに対話型鑑賞会を開催しました。

本日は、会社内同じチームで働く方々にご参加いただき、対話型鑑賞の体験会を行いました。対話型鑑賞についての簡単なご説明を行ったのちに、鑑賞会を実施しました。鑑賞会では、対話を通してご自身の考えがどのように変わったか体感いただくために、最初と最後に作品タイトルをつけることに挑戦いただきました。

1階の“削りカス”の大型作品を使って、鑑賞を行いました。最初に手に触れても良いかご質問いただき、優しく触れてみることに。第一印象ではやわらかい印象を持たれていたようで、実際には白磁からできている作品の触り心地に、皆さま驚かれたご様子でした。その後も少しお一人での鑑賞時間を設けたのちに、作品タイトルを伺いました。「雲のようなイメージ」「砂浜のよう」「ダイブしたくなる。白に引き込まれる」と、作品の形状や色から連想される印象をお話しいただきました。

また少し鑑賞時間を取ってから、自由な発言タイムに移ります。すると、他の方のお話しをふまえて、「確かに巻貝のような形に見える」「貝のような、もっというと何かの骨のようにも見えてくる」といったご意見が出てきました。またそこから対話を重ねるうちに、「外の鳥の鳴き声や、木のような匂いと一緒に鑑賞するとどうだろう」「壁に対して斜めに設置された什器の印象から、壁の先にも作品が続いているようにも見える」などと、展示空間を俯瞰して捉えるようなご意見もあがりました。

じっくりと鑑賞を続け、3-40分ほど経ったころに、参加者のお一人から「Aさんはカメラが好きだと思いますが、撮影するとしたらどんなアングルで撮りますか?」と問いかけがありました。するとAさんから少し悩まれたのちに、「実は作品の中央に一つだけ縦に伸びているピースがあって、それが端に入るような構図にしたい」というご意見が。このやりとりをきっかけに作品の一部に注目が集まり、そこからまた話が展開していきます。普段同じチームにいらっしゃる皆さまならではの展開でもありました。

終盤、「表面に見えている部分だけではなく、その下には何があるのだろう?ずっと“削りカス”のピースが埋まっているようにも感じる」というお話があり、ギャラリーオーナーから「まさしくその通りで…」と解説いただく場面も。目に見えない什器の内側にも“削りカス”が埋まっていると知って、皆さま、また作品の印象が変わられたご様子。「地層のように思えてくる」「これだけの大作に仕上げる時間と、下の方に埋まったピースが時の経過とともに砕けていく時間の流れを感じる」などといった、時間の流れを意識したご感想もありました。

最後に作品タイトルをもう一度つけていただくと、「最初は白色に惹かれたけれど、見ているうちに、白色に色彩を感じた」「最後に目に見えない部分も作品が埋まっていると聞いて、時の流れを感じた」というように、ご自身の中でどのように作品の見方が変化したかコメントをいただくことができました。

一見静かでシンプルに見える作品ですが、そこから感じられることは、作家が膨大な時間と技力をかけて積み上げたものに裏付けされていることに、対話を通して気付かされる回となりました。

ご参加いただき誠にありがとうございました。

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