exhibition 10
丹生 Niu
丹「に」は映える赤をあらわし
丹秀ひ「にほひ」は鮮やかな色を感情に投影するものとして
かほりの語源とも言われています
色とかほりの関係は実は古くからすぐ傍にあります
今回、香水と写真という一見異なる分野を
同時に展示するという実験的な試みです
調香師と写真家のアーティスト2人が
香りと色の関係性を探求し、
そこから見えてきた抽出された生命の源、
とても尊い、凝縮された一粒
生命たちの細胞を覗くような、何か奥底の、
意識と無意識の間にある根源的な感覚を呼び覚ましてくれる、
そんな気がしています
訪れた方の記憶に届き
五感で感じていただけたら嬉しく思います
沙里 調香師 かほりとともに___
日本の伝統的な香道作法と西洋のフレグランス文化を融合させた現代聞香を創始。日本・海外各地で季節や風土に合わせた「香文化」のアトリエを行っている。自ら植物を採取・蒸留し、天然香料100%にこだわり、日本産精油を用いた調香を行う。幼期からの作曲・演奏活動をもとに、色・音の波動と香りの嗅覚に及ぼす振動との関係に着目。作品にはユニークな“香譜”をつける。対象から聞こえる色・音をかほりに変え、五感に残る記憶づくりを目指している。企業、店舗、地域や万博などコラボレーション多数。
http://kahoritotomoni.com
写真と同時期に踊りを始める。踊らない民族はいないと言われているように、普遍的で根元的な感覚がそこにあり、人間はなぜ踊り、どのように他者や自然と関わってきたのかということに興味を持つ。そのような自身の踊りの経験からみる人間と自然の関係性をテーマに写真作品を制作している。今回の沙里さんとの香りと写真のやりとりはどこか神聖な儀式のような、とても興味深く実験的な試みでした。彼女が抽出した香りを聞くと、生命の源がそこにあり、尊く、凝縮された1粒を感じます。今回はその粒一粒に思いを馳せながら、植物や花、種子、果実、蜂蜜など、様々な命のかけらを用いて撮影しました。
https://www.tomokoiki.com